SSD の ランダムアクセス 速度を向上させる

 

 

 

SSD の ランダムアクセス 速度は SSD の 使い方に依り変化する。

 

まず最初に、SSD の使い始めが一番速くその後定常状態に成り一定の低下で落ち着きその後は徐々に低下していく事が一般的です。

 

 オーバープロビジョニング (Over Provisioning)領域 (OP領域)を確保する事に依り ランダムアクセス 速度が向上しますが シーケンシャルアクセス に関しては殆ど変化無し。
使用可能領域は減りますが
・4K ランダムアクセス 速度の向上 ( カタログ スペック に近づくだけで カタログスペック 以上には成りません。/ QD1・T1 は UP しない。)

・速度低下を防ぐ、又は速度低下時間の短縮
・SSD の寿命向上(OP領域の ”% ”の依り変化するが数倍に成る計算)
に成ります。

・SSD の WAF (Write Amplification Factor / 書き込み効率 or 書き込み増幅率 )が良くなる。

 

  • SSD の容量 (ユーザー使用可能領域)の 50% (最大でも 60% 迄で 50% 以上を割り当てても其程向上は期待出来ないはず、40% 程度以下なら体感できるケースは限られるはず。)を割り当ててやれば簡単に体感出来る程に向上する筈です。

     基本的には ユーザー 使用可能容量の 30% を OP 領域に割り当てる事が良いかと。
     SSD の ユーザー 使用可能容量の 100% を確保し使用していた場合に概ね 70% 超を程度を使用すると体感的に速度低下を感じる程に レスポンス が悪くなる様子、その為最初っからその分は OP 領域に回しておく。

     OP 領域を割り当てても単純に OS の操作 (Explorer を開く / Browser の起動 等他)では殆ど変化は無い筈です。

    期待できる効果
    ・複数 APP (application software)を同時に動かした場合の レスポンス 低下防止
    ・PC 起動直後の ストーレージ使用率が高くなる事の回避又は時間の短縮
    ・バックグラウンド で動作している タスク や APP 他の 高速化( SSD の レスポンス が悪いと プライオリティ が下がり処理が後回しに成り最終的に フォアグラウンド の処理が影響を受ける。)
    ・自動メンテナンス
    ・Microsoft Store アプリ の自動更新
    ・各 APP の自動更新
    ・インデックス カタログ (検索インデックス)
    ・Trim コマンド 実行後の SSD 内部処理


     よくある質問 NANDの種類 SLC/MLC/TLC/QLC とは? (佐鳥SPテクノロジ株式会社)
     > その他に、pSLC(pseudo-SLC 疑似SLC)というものもあり、MLCやTLCを疑似SLCモード(1つのセルに1ビットの情報を保存)で使用することで、標準MLC/TLCより耐久性と書き込み性能を向上させる方法。

 

NVMe M.2 等の疑似 SLC キャッシュ を使用している場合
 OP 領域を 70% 程度確保した場合全てが 疑似 SLC で動作する可能性が期待できる。 (TLC: Triple Level Cell の場合)
 但し SSD の ファーム が不明なので確実な事とは言えない。(メーカー や モデルに依っても動作が異なる事が推測される。)

 

注)CrystalDiskMark で Bench を取った場合恐らく異様に ランダム アクセス の数値が上がると思いますが体感的に其処までの向上は有りません、OS ( Windows ) の コマンド で チェック する事をお勧めします。

 

SSD 速度チェック
 コマンド プロンプト( 管理者 )
 PowerShell ( 管理者 ) の場合は [ CMD ]> [ Enter ] 後に

 winsat disk -ran -ransize 4096 -drive C -read -count 10
 winsat disk -ran -ransize 4096 -drive C -write -count 10

 

 winsat disk -ran -ransize 4096 -drive D -read -count 10
 winsat disk -ran -ransize 4096 -drive D -write -count 10

 winsat disk -ran -ransize 4096 -drive E -read -count 10

 winsat disk -ran -ransize 4096 -drive E -write -count 10

 でチェックする。
 サイス :4K
 アクセス : ランダム
 -drive X : ドライブレター (X)

  • winsat disk ]の説明 (Microsoft Document )

 

OP 領域を設定した状態

 

トランセンド より (https://jp.transcend-info.com/Embedded/Essay-39)

 

 

INTERNET Watch より ( https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/shimizu/1372645.html )

QNAP SSDエキストラオーバープロビジョニング より( https://www.qnap.com/solution/ssd-extra-overprovisioning/ja-jp/?utm_source=non_url&utm_medium=edm_benchmark&utm_campaign=ssd_tech&utm_term=ssd_overprovisioning )



 

 

注)・SSD メーカー が設定している OP 領域は無視している

  ・空き領域を幾ら残して置いても OP 領域には成り得ない

  ・SSD に対して Trim を実行し且つ ガベージコレクション 等を実行させないと効果の判断が出来ない

  ・SSD メーカー の専用ツールを使用しなくとも設定可能で効果が期待出来る

  ・同一物理 Drive 内で シーケンシャルファイル を COPY する場合、パフォーマンス は UP する

  ・シーケンシャル ファイル の アクセス しかしない場合は不経済
   (動画とかMP3ファイル等サイズのデカい ファイル をメインに保存する場合)

  ・物理 Drive 間で シーケンシャルファイル をCOPY する場合は不経済

 

 

参考情報